寂地峡キャンプ場から寂地川づたいに5分ほど登った場所から約160mほどの間に連続して5つの滝があります。総称して「五竜の滝」と呼ばれる名所で、日本滝百選のひとつです。
竜尾の滝
キャンプ場から一番近い、2段の滝です。
登竜の滝
エメラルドグリーンの滝壺は大乗淵と呼ばれています。
白竜の滝
広い岩肌を一気に流れ落ちる雄大な滝です。
竜門の滝
落差は寂地峡最大の18m
竜頭の滝
五竜の滝の最上部に位置し、深い滝壺を持ちます。
寂地峡は18の滝がある犬戻峡と7つの滝がある竜ヶ岳峡の総称で、五竜の滝は、竜ヶ岳峡に属します。
滝への道は遊歩道が整備されていますが、急な坂道が多い場所ですので、足元に気をつけてお越しください。
場 所 : 山口県岩国市錦町広瀬
アクセス : HIROSE FOOD BASEから国道434号線沿いを車で約30分。
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平瀬ダムは高さ73mの重力式コンクリートダムです。
古くから台風による洪水被害に何度も見舞われている錦川流域ですが、一方で、近年は渇水に悩まされることも多くなっています。平瀬ダムは、そうした地域の治水対策、そして、発電などを目的に建設されました。
周囲は美しい自然と貴重な河川生物が生息する場所で、生息環境保全のため、渇水時にもダム下流に必要な水が流れるように設計されています。
また、ダム直下の発電所では、ダムの放流水を利用して最大出力1,100KWのクリーンな電気エネルギーを発電しています。
このダムの完成により、失われた集落の記憶がダム内に残されました。
ひとつは、集落の生活を支えた木谷原橋のモニュメント、もうひとつはダム湖の名称です。「猿飛湖」は、集落の景勝地「猿飛の石庭」に由来します。
場 所 : 山口県岩国市錦町広瀬
アクセス : HIROSE FOOD BASEから錦川線沿いを車で約8分。
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平瀬ダムのダム湖を望む一角に、赤い橋のモニュメントが展示されています。
これは、平瀬ダムに沈んだ集落に架かっていた、木谷原橋の一部を移設したものです。
赤いアーチが印象的な木谷原橋は、上弦と下弦がそれぞれ弓(ボウ)と弦(ストリング)のような形状であることから、ボウストリングトラスと呼ばれる構造形式です。1890年代に70連ほど輸入されたドイツのハーコート社製ひとつで、この形状は現在ではほとんど採用されていません。
集落には1952年に移設されました。
老朽化が激しく、保存、移設が難しいことからダムの貯水を機会に撤去されましたが、日本に数橋しか残っていない貴重な橋であること、集落のシンボルであったことが考慮され、モニュメントとして残されることになりました。
「平瀬ダム記念モニュメント」石碑より引用
かつての木谷原橋の様子です。遠くからもよく目立つフォルムです。
錦町に残る平家の落人伝説のひとつ、「朝狩姫と清次郎の恋物語」の舞台となった岩です。
源氏の武将の娘であった朝狩姫は、源氏追討に備えた人質として捕らえられ、この地に留め置かれていました。肉親とふるさとから離された寂しさを紛らわせてくれたのが、美しい木谷峡の景色だったと言われています。
特に姫岩は姫のお気に入りの場所で、見ごろの秋には、毎日のようにこの石の上で寛いでいたそうです。
ある日、たまたま通りかかった清次郎という村の若者と恋に落ちます。
身分制度の厳しい時代に添い遂げることは困難だと思い悩んだ二人は心中を決意し、この岩の上で最後の祈りをささげました。その時、真っ赤なモミジを舞い上げる一陣の風が吹き、現れた年老いた武人が周囲の人々を説得、無事二人を結びつけることに成功しました。二人は生涯この地で幸せに暮らしたと伝わっています。
姫岩は、幸せを呼び起こす岩でもあるのです。
別名「もみじ峡」と言われるだけあって、秋の木谷峡は見ごたえがあります。
こちらで紹介している、宮もみじも木谷峡の名物のひとつ。紅葉時期はもちろんですが、深緑と木谷川のせせらぎが涼しげな夏もおすすめです。
場 所 : 山口県岩国市錦町広瀬
アクセス : 県道361号線沿い。HIROSE FOOD BASE9l
国道434号線経由で車で約8分
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錦町向畑の左近桜は平家の武士、廣實左近(ひろざねさこん)が植えたと伝わります。
周囲は約6m、樹高は19mと言われます。岩国市の天然記念物に指定されています。
向畑地区は平家の郷と言われ、古くから「廣實申し」と呼ばれる7年に一度行われる、一晩中飯を食べるという奇妙なお祭りが伝わります。
場 所 : 山口県岩国市錦町向畑
アクセス : 国道434号線、大和田トンネルと平瀬トンネルの中ほどにある側道に入ってください。離合はかなり困難です。HIROSE FOOD BASEから車で約12分
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河川争奪とは二つの川が水を奪い合うということですが、古代には錦町の北部寂地山系の水は高津川を経由して益田市に流れていました。
それが3万年前に起きたといわれる地殻変動で、本流は現在の「宇佐の大滝」付近から宇佐郷へ、さらに向峠で深谷川が高津川を横切る形で宇佐郷へ流れ、現在では寂地山系の水は錦川に吸収され岩国市に流れています。
動画の左側が錦町向峠、右側が島根県吉賀町田野原になります。
こうして空から見ると、現在田んぼが拡がっているエリアが、かつて川底だったこと。そのまっすぐな土地を深谷川が深くえぐり取っている様子がよくわかります。
場 所 : 山口県岩国市錦町宇佐郷
アクセス : 宇佐川と深谷川の合流点は国道434号線と六日市錦線の合流地点辺りです。HIROSE FOOD BASEから車で約20分
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宮モミジは近くの香椎神社の御神木と言われ、根本周囲約5m、樹高約15mの巨木で、市の天然記念物に指定されています。
「もみじ峡」の別名を持つ木谷峡のシンボルとして、紅葉の時期には多くの人が訪れます。
ほぼ同じアングルから撮影した秋の宮もみじです。
清涼感ある夏の姿とは一変し、山に賑わいを添えています。
場 所 : 山口県岩国市錦町広瀬
アクセス : 県道361号線沿い。国道434号線分岐点より車で約5分。道幅が狭いので離合は困難です。HIROSE FOOD BASEから車で約10分
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平瀬ダム上流に位置する猿飛の石庭は、錦川と木谷川の合流地点から約500m続く景勝地で、永い年月をかけて水流に削られた岩肌が、庭園のように見えることからその名がつけられました。
この辺りは川筋が大きく弧を描いているため比較的流れが穏やかで、集落の子供たちの格好の遊び場になっていたそうです。
残念ながら、現在は立ち入り禁止となっていますので、中に入ることはできません。
この360度画像は木谷川から100mほど下流の地点で撮影したものです。まるで切り出した石を階段状に積み上げているようですが、これは全て一枚の岩でできています。
なお、猿渡橋から遠景を望めます。
猿飛の石庭の全景です。なお、平瀬ダムのダム湖は、一般公募によって猿飛湖と名づけられました。
木谷原地区の景勝地は沈んでしまいましたが、その名は後世に受け継がれていきます。
錦町が位置する岩国北部は、さくら並木がいたるところにあり、さくらが咲く時期になると、公園や道路沿いが桜色に染め上がります。
我が錦町も例外ではありません。町内に花見スポットはいくつかありますが、中でも圧巻なのが、トロッコ列車、とことこトレインの終点、雙津峡温泉駅手前の路線上にある、全長700m以上にもなるサクラのトンネルです。
路線は国道434号線と並行していますので、ドライブでも楽しめますが、とことこトレインに乗って、サクラの中を通り抜ける風情も是非味わってみてください。
とことこトレインの出発地点、錦町駅とJR岩国駅を結ぶ錦川清流線沿線も、花見スポット満載で、この時期は花見を楽しむお客様で大変賑わいます。
動画は国道434号線から撮影したサクラのトンネルです。西橋からスタートして約1分のドライブを、早送りで紹介します。
場 所 : 山口県岩国市錦町深川
アクセス : 県道434号線宇佐川沿い。西橋バス停から柿木原バス停あたりまで。HIROSE FOOD BASEから車で約10分
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