錦町に残る平家の落人伝説のひとつ、「朝狩姫と清次郎の恋物語」の舞台となった岩です。
源氏の武将の娘であった朝狩姫は、源氏追討に備えた人質として捕らえられ、この地に留め置かれていました。肉親とふるさとから離された寂しさを紛らわせてくれたのが、美しい木谷峡の景色だったと言われています。
特に姫岩は姫のお気に入りの場所で、見ごろの秋には、毎日のようにこの石の上で寛いでいたそうです。
ある日、たまたま通りかかった清次郎という村の若者と恋に落ちます。
身分制度の厳しい時代に添い遂げることは困難だと思い悩んだ二人は心中を決意し、この岩の上で最後の祈りをささげました。その時、真っ赤なモミジを舞い上げる一陣の風が吹き、現れた年老いた武人が周囲の人々を説得、無事二人を結びつけることに成功しました。二人は生涯この地で幸せに暮らしたと伝わっています。
姫岩は、幸せを呼び起こす岩でもあるのです。
別名「もみじ峡」と言われるだけあって、秋の木谷峡は見ごたえがあります。
こちらで紹介している、宮もみじも木谷峡の名物のひとつ。紅葉時期はもちろんですが、深緑と木谷川のせせらぎが涼しげな夏もおすすめです。
場 所 : 山口県岩国市錦町広瀬
アクセス : 県道361号線沿い。HIROSE FOOD BASE9l
国道434号線経由で車で約8分